『摩天楼の怪人』

摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)

一昨年の秋くらいに発売された、島田荘司氏による御手洗潔シリーズ。
ミタライアンである私としては、若き日の御手洗さんが出てくる上に、なかなか作品自体の評判も良く、是非読んでみたい、と思っていた作品でした。
文庫落ちまで待とう、と思っていたのですが、この前たまたま図書館で見つけたので、借りてきました。
島田荘司氏、といえば、まず出てくるのが、奇妙な謎です。
ガラス張りのピラミッドの上で人が溺死していたり、死体が空を飛んだり。
今回は、34階の自室にいた犯人が、一瞬にして1階にいる被害者のもとにたどり着き、射殺。その後、また一瞬で自室に戻った、というものです。
普通に考えたら無理な話ですけど、きっと島田荘司氏は力業で何とかするのでしょう。
普通の作家が書いたら「そんなの無理に決まってるじゃん!」と思ってしまうことも、何故か島田荘司氏が書くと納得してしまいます。
それが、作家の持つ力、というものなのでしょう。