『ηなのに夢のよう』

ηなのに夢のよう (講談社ノベルス)

私が敬愛している、といっても過言ではないかも知れない、森博嗣氏の最新作。
ギリシャ文字が必ずタイトルに入っている、Gシリーズです。


この本では、例によって、複数の死体とタイトルでもある「ηなのに夢のよう」というフレーズが出てくるわけですが……。
今回は、明らかに自殺と思われるなのに、首を吊った場所が妙に高い木の上だったり、池の真ん中にある島だったりして、不思議だね、というお話でした。
その他に、Vシリーズの瀬在丸紅子さんが出てきたり、一連の事件と真賀田四季との関係がチラチラと見えてきたり、と盛りだくさん。
ただし、私にとってちょっと不満というか、引っかかったのが、結局「誰が犯人で、こういう方法で犯行を行った」という答えが、明確に示されなかったことです。
『捻れ屋敷の利鈍』もそうでしたが。
森博嗣さんは、けっこうそういう書き方をするんですよね……。
そういう意味では、この本は、「本格ミステリィ」ではありません。


私にとっては、最後のシーンだけでお腹一杯でした。
読めば、きっと分かるはず。
分かってはいたけれど、ちょっとショックだったなぁ……。