『ハナシにならん!−笑酔亭梅寿謎解噺(2)』

ハナシにならん!―笑酔亭梅寿謎解噺〈2〉 (笑酔亭梅寿謎解噺 (2))

ハナシにならん!―笑酔亭梅寿謎解噺〈2〉 (笑酔亭梅寿謎解噺 (2))

落語をモティーフにした田中啓文さんの作品、第2弾です。

1作目はこちら。

笑酔亭梅寿謎解噺

笑酔亭梅寿謎解噺

担任教師によって、無理矢理落語家に弟子入りさせられた星祭竜二という少年(トサカ頭)が主人公です。
彼の師匠が笑酔亭梅寿という、大酒のみでむちゃくちゃなおじいさんでして、私の個人的な見解では、このシリーズは、竜二が梅寿に振り回されて尻ぬぐいをする話だと認識していますw
お話は連続した短編で構成されており、それぞれに必ず古典落語の噺が出てきます。
1作目はミステリィ色が強かったのですが、2作目は、弟子入り制度のある落語界の問題点や、若者離れ、「落語は伝統芸能で、漫才には勝てないのではないか?」という竜二の葛藤など、落語そのものがメインといった印象を受けます。

それぞれのお話を読む度に落語を一席聞いたような気持ちになれるし、とても面白い本だと思います。