5億円盆栽購入決定 さいたま

記事はこちらです。
以下、引用。

さいたま市が購入を見送っていた約5億円相当の盆栽などを予定通り購入することが29日、分かった。補正予算案を12月定例市議会に提出する。

 購入するのは、高木盆栽美術館(栃木県下野市)の盆栽の名品や盆器など。同市が平成21年度の開館を目指す盆栽関連施設の目玉とするため、所有者との交渉をまとめたが今年5月、所有者が死去。6月定例市議会への議案提出を見送っていた。

突っ込み所が満載の記事ですが、私が気になった点を箇条書きにしてみます。

・盆栽に5億って……?
・一度は購入を見送ったのに、何故地方自治体の財政が厳しい今、購入することになったのか?
・盆栽関連施設を作って、誰が見に行くのか?


盆栽は、高い物になるとそれはそれはお高い、というのは、私も知っていますが、地方自治体がわざわざ数億も出して所有するような性質のものですかね?
これから数倍に値上がりするとも思えないし、維持管理費はかなり高いだろうし。
そんなのに数億も使う余裕があったら、福祉政策に使うとか、より有意義な使い道があると思うのは、私だけでしょうか。
財政状況を調べてはいないけれど、さいたま市はよっぽどお金が余っているとしか思えません。
だいたい、5億で盆栽を買うだけでは飽きたらず、盆栽記念館(私的想像・仮名)まで作ってしまおうとしてますからね。
ハコモノを作るとなると、さらに数億円が必要です。
それの管理費まで含めると……以下略。
しかも、メインの物が物なだけに、一体どれだけの入場者収入を見込める事やら。
少なくとも私は、(いくら数億円もするとはいえ)盆栽を見るために入場料を払うような崇高な趣味は持ち合わせていませんw


確かに、盆栽は素晴らしい日本の文化ですし、後世に残すべきだと思います。
だからといって、わざわざ行政が盆栽本体を購入する必要性は感じられません。
ヤフトピでリンクが張られていたこちらのサイトでも指摘されていますが、高くて立派な盆栽を展示したいのならば、美術館が特別展を開く時と同じように期限を決めてレンタルすれば良いでしょうし*1、展示場所は市役所のロビーや公共施設のギャラリーで十分だと思うのです。
また、盆栽文化を守りたいのならば、盆栽愛好家の団体に補助金を出すなりするだけで充分ではないでしょうか。
私はさいたま市の実情を知りませんが、各種福祉事業等よりも盆栽記念館(仮)の方が自分の生活に必要だ、と考えるさいたま市民は、果たして何人いるでしょうか?
さいたま市は、一体何を考えているのか……。
一番住民のニーズに敏感に反応し、適切な政策を行わなければならない基礎自治体がこんなことをやっているようでは、日本の財政赤字は更に拡大するでしょう。

まあ、私が勤めている自治体も、似たようなことをやっているかも知れませんが。
少なくとも、各種式典の舞台で良く飾られる盆栽は5千円くらいのレンタルです(笑)

*1:市の美術館に飾りたいからと言ってピカソ等の絵を数億円も出して買う自治体はないでしょう。