『EDS 緊急推理解決院』

EDS緊急推理解決院 (カッパノベルス)

EDS緊急推理解決院 (カッパノベルス)

新世紀謎倶楽部制作の作品です。
石持浅海二階堂黎人などの豪華作家陣によるアンソロジー
EDSという、架空の大規模な探偵事務所(?)というか推理専用の病院(?)のようなものを舞台にして、そこに持ち込まれる事件を「歴史推理科」「女性推理科」「不可能推理科」などの診療科に分けて、それぞれを1人の作家さんが担当して連作で書いて行く、というものです。
各科担当の探偵はみんな「探偵師(ホームズ)」と呼ばれ、助手は「助師(ワトスン)」と呼ばれるなど、かなり舞台に凝っています。


最後の最後で全てが綺麗に繋がるような仕掛けでもあるのかしら、と思ったら、EDSの1日を追うドキュメンタリーのようになっているらしく、特にそういった仕掛けはありませんでした。
まあ、そこまでやったら、事前の打ち合わせが大変か……。


しかし、QEDシリーズの高田崇史氏は「歴史推理科」、スキーに凝っている黒田研二氏は「スポーツ推理科*1」など、作家さんの配置にも凝っていて、けっこう面白かったです。
たまにはこういうアンソロジーもいいですね。

*1:個人的にはこの科の探偵師のゼニーちゃんを読めただけで嬉しい