『リピート』
- 作者: 乾くるみ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/10/23
- メディア: 単行本
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乾くるみさんの作品です。
意図しなかったけれど、『夏への扉』に続いてタイムトラベルSF二連続ですね。
いきなり掛かってきた、将来の自信を予告する電話がきっかけで、過去へ「リピート」することになった主人公。
無事、過去へ戻れたものの、何故か一緒にリピートした仲間が、次々と死んでゆきます。
ある者は事故で、ある者は殺されて……。
それらの事件は、もちろん、主人公が一度経験した世界では起こっていませんでした。
何故、リピーターばかりを狙った事件が起きるのか?
彼らは、私生活では全く接点がないので、唯一の共通点を知っているのはリピーター仲間だけのはず。
では、自分たちの中に犯人はいるのか?
と、色々と考えているうちに、意外な真相が見えてきます。
「リピート」という設定を見事に活用した仕掛けでした。
最初の方は、リピートについてあれこれと考えるだけで、あまりテンポが良くないですが、主人公達がリピートしてからは、次々と人が死んで、テンポが一気に良くなり、サクサクと読めました。
乾くるみさんの本を読んだのは『イニシエーション・ラブ』に続いて2作目でしたが、なかなかトリッキーな作風なのでしょうか?