『ナ・バ・テア』

ナ・バ・テア (中公文庫)

ナ・バ・テア (中公文庫)

私が持っているのはノベルス版*1なのですが、せっかくなので、映画イラスト版の書影で紹介します。
スカイ・クロラ」シリーズ第1作、『ナ・バ・テア』です。
8月2日公開までに、何作目まで読めるか?
そして、私はいつ映画を見に行けるのか?*2


閑話休題、本の感想に入りましょう。
この本を最初に読んだときは、『スカイ・クロラ』を読んだ後だったので、とにかく主人公である草薙水素のウェットさが気になったものでした。
今回、より大人に(鈍く)なった自分の視点から、ニュートラルな状態で読んでみると、「もう、無理しちゃって」と微笑ましい気持ちになってしまいました。
水素さん、かなり尖っています。
若いなぁ。
そして、この時から『スカイ・クロラ』に繋がる種がいくつも撒かれていることが分かりました。←当たり前。
前は、とにかく主人公の動きを追うことに夢中でしたが、一歩引いて読んでみると、シリーズを通して出てくる「大人」の存在がクローズアップされて見えてきた(ような気がします)。
例えば、草薙水素が尊敬するエースパイロットの「ティーチャ」。
町にいる大人の女性「フーコ」。
忘れてはならない名脇役、整備工の「笹倉」。
死んだり異動したりして、次々と交代していくパイロットである「子供」と比べ、「大人」である彼らは、きちんと根を下ろして生活しているのだ、といったところでしょうか。
彼らが今後「子供」達とどう関わっていくのか、要注意ですね。


本作は、時系列的に見ると一番最初ということもあり、まさしく起承転結の「起」に当たる作品である、ということを再確認いたしました。

*1:初版特典の散香栞に惹かれて購入

*2:ストラップの特典付き前売り券は購入済