『アフタースクール』

アフタースクール (角川文庫)

アフタースクール (角川文庫)

親が買ってきて、面白かったから読め、というので読んでみました。
同名の映画をノベライズしたもののようです。
強いてジャンル分けをすれば、ミステリとして充分通用すると思います。


時間がないので、感想を簡潔に。
映像を文字に起こしたものなので、普通の小説とは全然読み心地が違いました。
とても映像的です。
例えば、選挙カーのくだりなんか、絶対に映像として見た方が効果的でしょう。
また、映像化されてこそ活きてくる伏線が沢山あったようなので、文字に起こす段階で、とても苦労をされたようです。
それは、全て一人称の視点で書かれている点にもかいま見えますが、一人称は如何せん主観のみなので、あまりフェアじゃないというか、少し読みづらいというか……。
最初の導入部分で、主人公達の関係が「自分にとっては当然のこと」として詳しく触れられていなくて、まあそれは後々に伏線となる訳ですが、そういうところが少し不親切で、欲求不満気味でした。
一瞬、歌野晶午氏が数年前に書いて賞も取った某作品*1と同じトリックが来るか?しかしこれは原作が映画だぞ……などと疑心暗鬼で読み進めました。
最後、一気に全ての関係がはっきりして、事件の全体像が見えてくるシーンは、今までもやもやしていたことが解消されて、「騙された!」と素直に驚けました。
これはやはり、映像で、映画で見てみたいです。
「あそこ」は映画ではどうやって表現しているんだろう?と気になるところが、沢山あったし。
レンタル落ちしたら借りてこよう!

*1:葉桜の季節に君を想うということ