『スカイ・クロラ』映画を見てきました

原作はこちら↓

スカイ・クロラ (中公文庫)

スカイ・クロラ (中公文庫)

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公開から1週間以上が経過しましたが、ついに「スカイ・クロラ」映画を見てきました。
再読プロジェクトは、『ダウン・ツ・ヘブン』で止まったまま……。
でも、近いうちに必ず『スカイ・クロラ』だけでも再読します!


映画を見た感想は、「ああ、これは間違いなくスカイ・クロラだ!」の一言に尽きました。
空の映像が非常に綺麗です。
あれは、映画館の大きなスクリーンで見る価値がありますね。
最初に映画館で予告編を見たとき、実写の空かと思ったくらい。
戦闘シーンも、迫力満点で大満足。
空に上がってから無線で交わされる会話が全て英語で、妙に納得。*1
実際に映像化されてみて、思ったよりもごちゃごちゃしているというか、せわしないというか、意外と生々しくて、そこはイメージと全然違いました。*2
原作では、もっともっと静かにダンスを踊るイメージだったのです。


もちろん、これは押井守氏の作品なので、原作と比べるとけっこう相違点があります。*3
あるシーンなんて、全く逆になってました。
映画を見終わって家に帰ってきてから、原作をチラチラと読んで裏付けを取ってみたので、間違いないです。
でも、それをひっくるめて、スカイ・クロラの世界観は変わっていないのです。
ああ、こういうやり方もあったのね、といった感じ。


実は、テレビのCMで「ラブストーリィ」を前面に押し出したものがあったので、押井さん、やってしまったのか?!と危惧していたのですが、全くの杞憂でした。
あれは、CMを作った人(誰だ?)の戦略でしょう。
確かに、原作および森博嗣という作家を知らなければ、「戦闘機乗りが淡々と飛行機に乗る映画です」と宣伝しても、よほどの飛行機マニアじゃない限り、一般の観客の動員は望めないだろうから。
宣伝戦略としては、分からないでもないです。
でも、ベタなラブストーリィを期待したスイーツ(笑)あたりが、初デートなんかで見てしまった日には、ちょっと気まずいのでは?*4
最近は、何事につけても、脊髄反射的に理解できる分かりやすいものが流行する傾向があるけれど*5、それじゃあ、日本のワビサビ文化が廃れてしまします。
本作品のように、敢えて核心を突かずに外堀から埋めてみました、という作品がもっとあっても良いのではないか、と思うところです。
それでも、映画は原作と比べるとずっとキャラクタの役割がしっかりとしていて、直截的な表現が多いのですが。


P.S.
声優さんについては、確かに最初の方で水素さんの声に多少の違和感があったが*6、後半はそれほど気にならなかったです。
栗山千明については、違和感は全然ありませんでした。
最後の長い台詞、大変だったでしょうに。

*1:「戦闘開始」を'Let's dance!'と言っていました。芸が細かいな。

*2:もちろん、良い意味で。

*3:笹倉がかなり意外でした。まさか、ああいう使われ方をするとは!

*4:そういう人種はそもそもアニメを見ないのか?

*5:「恋空(笑)」とか。もちろん、そういった作品を頭から否定するつもりはありません。

*6:良くも悪くもぶっきらぼうで、アニメ的発声ではなかったことが原因か?