『両性具有迷宮』
- 作者: 西澤保彦
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2005/03
- メディア: 文庫
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某古本チェーン店で見つけて買って、そのまま放置されていたのだが、ハワイの行き帰りの飛行機の中で読みました。
西澤保彦氏といえば、SFな設定で本格的な推理小説を展開することで有名な方ですが、今回は飛び抜けて変な設定です。
何しろ、ある夜にコンビニいた女性全員に男性にしかないはずの「あれ」が生えてしまうのですから。
しかも、原因は宇宙人が地球侵略用に開発した兵器。
その宇宙人、訳あって地球侵略は諦めているので、可及的速やかに治療を行ってくれることになり、彼女達はしばらく不自由な体を我慢すれば元に戻れることに。
ところが、事件が起きたコンビニで店員が殺される強盗殺人事件が発生。
更に、「両性具有」となってしまった女性達が相次いで殺されます。
たまたま事件に居合わせたせいで、被害者候補となってしまったお笑い百合小説家(?)森奈津子は、自分の身を守るため、調査に乗り出すのですが、その捜査手法が……。
といった内容でした。
とにかく、主人公の森奈津子嬢が凄いです。
『なつこ、孤島に囚われ』という西澤氏の作品にも彼女が主人公として登場するのですが、とにかく凄いです。
どれだけ凄いのか、私の筆力では語れないので、気になる方は実際に作品を読んでみてください。
そして、もっと凄いのが、彼女は実在する作家さんで、まさに小説の通りの趣味嗜好の方らしいのです。
この作品、事件の謎解きも重要ですが、それ以上に、生物学的な性別の違いと社会的な性別の違いについて考えさせられる内容でした。
何しろ、女性に「あれ」が付くお話ですから。