『夜のフロスト』

夜のフロスト (創元推理文庫)

夜のフロスト (創元推理文庫)

仕事中毒にして下品なダジャレが大好き、書類仕事が大嫌いで服装はだらしない、でも憎めないフロスト警部シリーズ第3弾です。
今回もいつものごとく、ロンドンから70マイル離れた片田舎・デントン市は事件でてんやわんやです。
まずは、流感が発生して、署の人員の半分がダウン。
未解決の少女失踪事件が1つ。
そのうえ、知られたくない秘密を告発する手紙が色々な人に送りつけられ、自殺者まで出る騒ぎに。
更に、正体不明の老女切り裂き魔が跳梁跋扈。
フロスト警部は、新任の部長刑事と共に、寝る間も惜しんで捜査に励みます。
しかし、そこはフロスト警部
勘だけを頼りに、怪しいと睨んだ人間を追いかけ回しては、実は無実だったとか、別件の犯人だったとか、へまばかり。
嫌味で自分の保身と出世しか考えていないマレット署長を怒らせてばかりいます。
それでも、全く気にせず突っ走り、最後には何とか全ての事件が解決するのでした。


今回も、相変わらず滅茶苦茶でだらしなくて、でも何故か格好良いフロスト警部は健在でした。
彼を見ていたら、自分の小さな失敗なんてどうでもいいことのように感じて、何だか元気が出てきます。
それにしても、デントンって、少女がしょっちゅう行方不明になるところですねw
過去3作で、必ず少女が行方不明になっています。
そして、本作はとにかく腐乱死体と血が多かったような気がします。
それでもホラーなムードにならないのは、フロスト警部の下品な冗談のおかげでしょうか?