『九つの殺人メルヘン』

九つの殺人メルヘン (カッパ・ノベルス)

鯨統一郎さん特集月間。
この本は、有栖川有栖氏がある作品で言及していた、アリバイトリックを全て網羅しつつ、メルヘン童話も絡めている、というアクロバティックな短編集です。
なので、ストーリィ重視というよりは、アリバイトリック崩しと、グリム童話等の新解釈がメインかと。
鯨統一郎氏については、ストーリィよりもトリックや歴史の新たな解釈に重点を置いて読めば、非常に面白く読める、ということを学習しているので、ストーリィが良く分からなくても腹が立ちません。
にこにこ。


ていうか、この本で一番面白いのは、バーに集う厄年トリオの昔話です。
昔のアイドルの話とか、クイズ番組の話とか、コミックバンドの話とか。