『キラレ×キラレ』〜Ｘシリーズはどこへ向かうのか？
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/09/07
- メディア: 新書
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森博嗣さんの「Ｘシリーズ」第２作目です。
発売されてすぐに買ったのですが、読み出すまでに時間がかかりました。
この本に限らず、最近の森博嗣さんの作品は、だいたいそうかも……。
本のあらすじですが、簡単に書くと以下のとおり。
電車内で３０代の未婚女性が背中を切りつけられる事件が連続して起きます。
第３の事件の際に犯人と間違われたＤ建設の専務の依頼を受け、探偵の鷹知が調査に乗り出し、小川玲子が協力を要請されます。
調べてみると、一見何の関連もなさそうに思われた被害者達が、共通のクリニックに通っていたという事実が発覚。
そのクリニックの調査をしているうちに、第４の事件が起き、更には殺人事件までが発生。
一体、犯人はどのようにして衆人環視の電車内で女性を切りつけたのか？
犯人の正体、そして目的は？
みたいな感じでした。
最近の森さんの作品を読んでいて感じるのは、無駄な部分が無くなって、どんどんシンプルになってきたな、ということです。
「Ｘシリーズ」にしても、「Ｇシリーズ」にしても。*1
『キラレ×キラレ』にしても、事件が起きて最後に犯人は分かるけれど、その過程でミステリィにありがちな「アリバイトリック」とか「密室」とかが全然出てこないです。
辛うじて「ミッシングリンク」が登場するくらいでしょうか。
解決の仕方も、本格ミステリィというよりは、ハードボイルド？みたいだし。
「不可解な謎」なしで最後まで読まされてしまうのだから、まあ、それはそれで良いのですが。
今までのシリーズを通じて、微妙に見え隠れしていた、ある人物*2の影も、今のところ見えないです。
あと、一番気になるのが、小川玲子の雇い主である椙田の正体。
「Ｇシリーズ」における赤柳初郎と同じくらい気になります。
西之園嬢と出会った時の反応から見て、私はたぶんあの人だと思っていますが、果たして……？
