『図書館戦争』

図書館戦争

図書館戦争

どうでもいいですが、有川浩さんは女性なんですよね。
知ったときは、ちょっとびっくりしました。
それは置いておくとして……。

同期から、『図書館戦争』『図書館危機』『図書館内乱』を借りました。
かなり分厚いので読みづらいかな、と思いきや、物語のテンポが良いのと、物語のテーマが重い割に主人公が妙に明るいので、サクサクと読み進み、1日で2冊読了してしまいました。
休みの日とはいえ、読書ペース早すぎか?


この本を読んだ感想ですが、もし、この物語に出てくるように、検閲が合法化されるような社会になってしまったら、私は生きていけないなぁと思いました。
読書は、個人の自由だろうが、と。
その本が読んだ人にどんな影響を与えるかなんて、誰にも分からないだろう、と。
ていうか、てめえの自分勝手な価値観を人に押しつけるな、と。
といった感じで、けっこうフラストレーションを溜めながら読んでいました。
そして、今の国会とマスコミと国民だったら、一歩間違えば「メディア良化法」が通りかねないな、とも思ったり。
何しろ投票率が50%を割る時代ですからね。
マスコミは、情報を伝えたい形にゆがめて報道するのが得意だし。
まず、そんな時代になったら、間違いなく図書館員になるだろうな、私w
でも、運動神経は良くないので、防衛隊には入れません。


登場人物に目を向けて見ると、注目すべきは主人公の笠原郁のキャラクタでしょうか。
今時、あんな一昔前の少女マンガの主人公にありがちな王道キャラを主人公に据えるとは……。
あれはあれで、直情型の行動で物語のテンポを良くしているし、良いのかな、とは思いますが。
私はどちらかというと、郁のルームメイトである柴崎の方に共感してしまいます。
私はあそこまで計算高くないし、全然美人ではないけれど、世の中に対するスタンスが似ているので。
私もよく、友人に「ドライで毒舌」と言われます。
そして、郁の上官である堂上と小牧については、もう、言うまでもないでしょう。
後はどちらを攻めでどちらを受けにするか、決めるだけです。*1
仲がいいって、素敵ですね。

第1作では、図書館の置かれた状況を描き。*2
第2作では、登場人物を掘り下げて描き。
3作目はまだ読んでいないので、分かりませんが。
この物語は、きっと郁が成長していく物語なのでしょう。
検閲が許される世界と、それに武力で対抗する図書館、というのは、彼女の成長を促す舞台装置に過ぎない……そんな気がします。
平たく言えば、設定が生かし切れていない、とも言えますがw
でも、一歩間違えば、現実世界でもこのような事態が起きかねない訳で……。*3
この本を読んで、正直、少しだけ怖くなりました。
それと共に、読書の自由が保障されている今の我々は、とても幸せだな、と思いました。

*1:私的には小牧×堂上かと。

*2:本を没収したり守ったりするのにサブマシンガンとか、やりすぎだろ、とは思いますが、何事もエスカレートしやすいですからね

*3:日本国憲法の検閲を禁ずる規定をどうするか、という問題はもちろんありますが