『ＱＥＤ ventus 御霊将門』

QED ventus 御霊将門 (講談社ノベルス)

高田崇史氏による「ＱＥＤ」シリーズです。
このシリーズは、祟くんと奈々ちゃんの微妙な関係の行き着く先が気になるところですが、それよりも、今まで何気なく読み飛ばしていた日本の歴史について、新たな視点を与えてくれるので、読む価値はそれなりにある、と認識しています。

今回のテーマは、平将門。
彼は、一般的に、朝廷に対して反乱を起こし、倒されて怨霊になった、とされていますが、実際はどうなのか？というのを、祟くん、奈々ちゃん、彼女の妹の沙織ちゃんが東京都内・そして千葉県に点在する将門ゆかりの史跡を巡りつつ、解説する、といった趣向でしょうか。
「ventus」シリーズなので、これといった事件は起きず、ひたすら歴史の解説に徹しています。
個人的には、下手に刑事事件を絡ませるよりも、こういう感じで単純に隠された歴史の闇に光を当てる物語展開の方が、よっぽど素直で読みやすいような気もするのですが……。
ミステリィというジャンルから出してしまうと、かえって読者も限定されるでしょうし、ね。

内容としては、まあ、予想通りといいますか。
読めば分かると思いますので、敢えて何も書きません。

私も将門巡りツアーをやってみたくなりました。
あと、神社の境内にあるカフェにも行ってみたいです！
以上。