『それでも僕はやってない』

テレビで鑑賞したので、もちろんタダ(笑)
前から見たかった映画です。
本作は、冤罪が生まれる仕組みを描いた(?)ということで、大学生時代にたまに裁判所に刑事裁判*1を傍聴しに行っていた私としては*2、裁判のシーンがどのように再現されているのか、非常に興味しんしんでした。
何しろ、ゲームの逆転裁判とか、酷いですからね。
実際の法廷とは全然違う。
一番多い誤解が、木槌。
実際の裁判長は、木槌なんて持っていませんから。


結論から言えば、この映画は、法廷についてはかなり正確に再現できていたのではないかと思います。
前段階の警察による取り調べとか、検察官との面接については、よく分かりません。
逮捕されたことがないので。
でも、あの警察官や検察官は、けっこう誇張していたのかな、と思います。


裁判のシーンについていえば、よくある2時間サスペンスなどの法廷と比べれば圧倒的に地味な感じが、逆にリアリティを醸し出していたと思われます。
実際の裁判は、本当にあんな感じで、特に次回公判のスケジュールを打ち合わせするところなんか、まさにあの通り!
役所広司さん、上手いです。
ちなみに、一緒に映画を見ていた母親の感想は「何を言っているかさっぱり分からない」でした。
証拠調べの所だったのですが、基本的に裁判用語は難しいです。
あまり固有名詞や物の実物が出てこないし、イメージが掴みづらいですよね。


結論:痴漢をやっていないことの証明は、非常に難しい。
世の中の男性は大変ですね。
そして、被告人1人1人にとってはたった一度の重要な裁判でも、弁護士・検察官・裁判官にとっては数え切れないくらい沢山の裁判のうちの1つである、という事実。
大学時代、裁判官の方のお話を聞いたことがあるのですが、1週間のうちで自由な時間は半日程だとおっしゃっていました。
日本の法曹は少なすぎです。
ロースクールも、どうも当初意図したのとは違う方向に進んでいるみたいだし。


P.S.
1つ気になったのが、弁護側と検察側の位置関係。
私がよく見に行っていた裁判所と反対でした。
被告人が出てくるドアに近い方が弁護側だ、と何かで読んだような気がするのですが、その法則にも当てはまらなかったし……。
あれって、何か決まりはあるんですかね?

*1:民事裁判は当事者のプライヴァシーを覗いて趣味が悪い感じがして嫌。

*2:大学から自転車で10分くらいのところに裁判所があったので。