『QED”flumen”九段坂の春』

QED~flumen~ 九段坂の春 (講談社ノベルス)

QED~flumen~ 九段坂の春 (講談社ノベルス)

高田崇史さんの作品。
QEDシリーズ初の短編集です。
それぞれ時系列を変えつつ春、夏、秋、冬の連作になっていて、最後には全ての短編が繋がる趣向。
主人公は
春→桑原崇
夏→棚旗奈々
秋→小松崎良平
冬→御名形史紋
となっています。
冬を除いて、ちょっと切ない(?)初恋っぽい要素があったり。
今回は、それほど骨太な歴史についての違う視点からの解釈はありませんでしたが、その代わりに、QEDシリーズとしては珍しく(!)推理小説としてけっこう楽しめました。
あ、この人はここでこういう風に繋がっているのか、といった感じで。


こういう趣向の作品って、最終作がどうしても今までの総括編っぽい作りになってしまい、物語としての面白さがちょっと減ってしまうのが、難しいところですね。