「終身刑導入」自民に勉強会設置へ

記事は産経新聞です。

 自民党加藤紘一元幹事長や杉浦正健元法相らは28日、国会内で会談し、仮釈放のない終身刑として「重無期刑」を導入することを求める勉強会の発足で一致した。5月の大型連休明けに初会合を開く。1審の死刑判決は裁判官や裁判員の全員一致を前提条件とすることも検討する。いずれも超党派の「死刑廃止推進議員連盟」(会長・亀井静香国民新党代表代行)がまとめた「重無期刑創設および死刑評決全員一致法案」に沿う内容で、今後勉強会は超党派議連と連携し、今国会の法案提出と、党議拘束を外した上で採決を目指す。

私自身は、死刑制度を云々言うほどのデータも人生経験も持ち合わせておりませんので、死刑制度の是非についてはここでは語らないこととします。


仮に、死刑制度を廃止するor制度としては残すが運用はしない、ということになると、俄然意味を持ってくるのが、記事にもあるとおり仮釈放のない「終身刑」です。
現状では、普通に刑務所で模範囚をしていれば、刑期終了よりも数年早く刑務所を出ることができる*1のが一般的です。
詳しくは分かりませんが、懲役10年くらいならば、7年くらいで出ることができるのではないかと……。
従って、仮に無期懲役判決をもらっても、一生刑務所に入っている訳ではありません。
本人の態度によっては、塀の外に出られる可能性が高いのです。
死刑がなくなった場合、無期懲役しか残らないとなると、過去の基準で言えば「死刑相当」の人間が刑務所から出てきてしまう可能性があるわけで、これは社会にとってよろしくない状態ですよね。
従って、死刑の代わりとして、無期懲役刑の上に一生刑務所から出られない「終身刑」を創設するのは、とても有用な議論だと思います。


他に、死刑の代替刑として、懲役1000年判決など、人の寿命よりも長い懲役刑もOKにしてしまう、という荒技もあります。
確か、アメリカのどこかの州が採用していたと思うのですが。
この方法だと、自分の犯した罪の重さが綺麗に懲役年数に比例して数値化されるので、非常に分かりやすいのではないかと思います。
刑務所で模範囚だったら、ちゃんと刑期が短くなったりして、励みにもなりそうですし(?)
一番大きな問題は、どの場合にどれだけの年数の懲役刑にするか、の基準作りでしょうね。
全く前例がない訳ですから、日本の司法は戸惑いそうです。


まだ、終身刑の方が、実現可能性があるでしょうか……。

*1:もちろん刑の執行が終了した訳ではないため、完全に自由の身にはならない