『愛は売るもの』

愛は売るもの (創元推理文庫)

愛は売るもの (創元推理文庫)

ジル・チャーチルさんによる「グレイス&フェイヴァーシリーズ」第4作目。
今回の物語は、1932年11月、フーヴァー対ルーズベルトの大統領選の頃のお話です。
相変わらず、主人公兄妹が暮らす屋敷と村の人々は人間味があって面白く、事件も色々な方向に手がかりが分散していて、なかなか謎が解けませんでしたが、最後の最後で無事解決し、めでたしめでたしでした。
何と言ってもコージィの魅力は平凡な生活を送っている人々の面白おかしい描写にある訳で、その点、ジル・チャーチルさんは本当に上手です。
特に、このシリーズは世界恐慌直後のアメリカの様子も詳細に描かれていて、歴史好きにも面白いのではないでしょうか。