『野鳥の会、死体の怪』

野鳥の会、死体の怪 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

野鳥の会、死体の怪 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ドナ・アンドリューズさんの作品にして、鍛冶職人メグが主人公のシリーズ2作目です。
前作『庭に孔雀、裏には死体』のすぐ後のお話になっています。
3組の結婚式の準備を通して、恋人同士になったメグとマイクル。
しかし、二人の恋路は愉快なメグの親類や村の住人達にことごとく邪魔されます。
2人きりで静かに過ごせる所に行きたい、ということで、メグはフィービおばさんの別荘(バードウォッチングの名所の島に建っている)を思い出します。
ハリケーンを乗り越え、無事島に着いた2人ですが、そこに待ち受けていたのは、振り切ってきたはずの親戚。
更には、死体も見つかって、メグの父親は行方不明。
メグは父親の容疑を晴らすため、探偵活動をするはめに……。

という感じで、相変わらずのドタバタコメディでした。
前作と同じで、犯人がわかるきっかけが、どうも唐突過ぎる感じですが、このシリーズは出てくる人出てくる人全ての個性が強くて、それだけで楽しませてくれるので、本格ミステリィ的な謎解きは期待しなくても良いのです。
本作においても、島のあちこちにいる(『マトリックス』に出てくるエージェント・スミスのように、次から次へと湧いて出てくるとしか思えない)バードウォッチャーの人たちが非常にいい味出しています。
メグの親戚一同は言わずもがな。

何も考えずに読めるので、頭を休めたい、笑いたい時には最適なお話かと思います。