『生首に聞いてみろ』

生首に聞いてみろ

生首に聞いてみろ

法月綸太郎氏の作品です。
これも、数年前から気になっていたものの、読む機会がなく、この前図書館で見つけたので、早速借りてきて読んでみた次第です。
ここ数日、ちょっと面倒くさくて頭を使う仕事を抱えているせいか、読書スピードが伸びず。
でも、何とか返却期限ぎりぎりに読み終わりました。


感想としては、これぞ王道の本格もの!の一言に尽きます。
月氏は(たぶん)エラリー・クイーンの影響を受けていられるはずですが、非常にフェアで論理的な小説を書かれますね。
ていうか、クイーンの影響を受けていなければ、ペンネームと同じ名前の私立探偵が主人公で、主人公の親は警察官なんている本の書き方はしないか……。
不勉強で申し訳ないです。
彼の作品は、アンソロジーに入っている短編集をいくつか読んだだけで、特に気に入った訳でもなく、長編を読むのはこれが初めてなものですから。
月氏は、とっても冷静な語り口で、キャラ萌え要素が皆無なため、私のような不純な動機で本を読む人間には辛いです。*1


この作品を読んだ私の感想としては、確かに伏線はきちんと回収され、動機もきちんとしているし、事件も綺麗に解決していて、お手本のような推理小説ですが、それ以上でもそれ以下でもないといった感じでした。
特に、直前に読んだ本が『ハサミ男』のようなインパクトがあって癖も強い作品だったから、なおさらでしょうか。
私は、推理小説に対して、「如何に論理的にフェアな謎解きをするか?」ではなく「とにかくインパクト」を求める傾向があるようです。

*1:同じ理由で有栖川有栖氏の作品も苦手なのです。どうも火村助教授に萌えられない……。でも、エラリー・クイーンには萌えられる不思議。リチャード警視ギザカワユス。