『サニーサイドエッグ』

サニーサイドエッグ (創元クライム・クラブ)

サニーサイドエッグ (創元クライム・クラブ)

荻原浩さんの作品です。
ハードボイルドを愛し、ごく普通の日常を何とかハードボイルドテイストにしようと涙ぐましい努力をする私立探偵*1の物語第2弾です。

前作は犬探しでしたが、今回の焦点は猫探しです。
主人公は、小料理屋の美人女将に猫探しを依頼されます。
そしてもう一件、やの付く自由業の方にも、同じ種類の猫探しを依頼されるのですが、どうも様子がおかしくて、最後はやっぱり大変な事件に巻き込まれ……というストーリィでした。
本作においても、主人公は一生懸命ハードボイルドを気取ろうと頑張るのですが、若女将や怖いお兄さんや動物たちには通用する訳もなく、苦戦しています。
そのギャップが面白いです。
また、前作では助手は80過ぎのおばあちゃんでしたが、本作では金髪に青い目の若い女の子を雇うことに。*2


意外に良い味を出していたのが、主人公曰く「私立探偵の敵」である警察のおじさんでした。*3
この2人のハードボイルドなやり取りも、訳が分からなくて面白いです。


基本的に、私はハードボイルド小説は嫌いなのですが*4、このシリーズのようなハードボイルドならば大歓迎です。

*1:でも仕事はペット探しばかり

*2:その正体は16歳の日本人女子高生ですが

*3:フィリップ・マーロウの台詞をやたらと引用する

*4:どうしてそこで意地を張ってそんな行動を取るんだ?という突っ込み点が多い、女性がステレオタイプ過ぎて嫌等の理由から