『レディ・ガンナーと二人の皇太子(上)(中)(下)』

貴族のお嬢様(でも銃の腕はピカイチ)キャサリン・ウィンスロウと、4人の用心棒が活躍するレディ・ガンナーシリーズ第4弾です。
この本が最新作で、続刊が出ていないのが残念なところですが、作者さんが後書きでまだ書きます!とおっしゃってくれているので、大人しく待つこととしましょう。


本作は、エルディアという国が舞台です。
公務でエルディアに行くというキャサリンの父・エリオット卿について行ったキャサリン
その国には王室があるのですが、憲法で男性しか国王になれないことになっています。
また、数百年前の王様が決めた跡継ぎについての前時代的な信じられない決まりがあり、それを知ったキャサリンは非常に驚き、憤慨します。
一方、仕事のためにエルディアまで来ていた用心棒4人組ですが、何故か港の食堂で<役立たず>のヴィンスが誘拐されてしまいます。
ヴィンスを取り戻しに行った先は、皇太子候補の男の子がいる家でした。
キャサリンも、ある事件がきっかけで、皇太子候補を持つ家と関わることになり、またしても騒動巻き込まれてしまう……といった感じです。


今回のテーマは、王家の血筋をいかにして守るか?ということになるのでしょうか……。
エルディアでは、男子以外の即位は認められていません。
その決まりが、今回の事件のキーになっていて、色々と面倒な事態を引き起こします。
日本の皇室典範でも、男子以外は天皇になれないことになっていて、一時期愛子様を巡って論争があったようですが、作者さんはそこら辺もふまえてこの作品を書いたのでしょうか?
この作品、最後はそれなりにハッピー・エンドとなるのですが、それでも反発する勢力はあるし、もう救いようがない、取り返しのつかないことになってしまっている人も沢山いるのです。
彼らが今後、どうなっていくのか、気になるところです。