『ウォッチメイカー』

ウォッチメイカー

ウォッチメイカー

ジェフリー・ディーヴァー氏の作品です。
『ボーンコレクター*1』から始まったリンカーン・ライムシリーズ第7弾。
四肢麻痺になりながら犯人と毎回頭脳戦を繰り広げる犯罪学者リンカーン・ライムと、現場で彼の手足となって働くアメリア・サックスの活躍が見物です。


今回の彼らの敵は、題名のとおり「ウォッチメイカー」と名乗る殺人犯です。
最初はいつも通り、ライムと彼との単純な対決と思われた今回の事件でしたが、中盤からは、がらっとその姿を変えます。
そうかと思えば、またまたどんでん返しが……。
最後には、最初に考えたのとは全く別な事件の全貌が見えてくるのです。
というわけで、この作品について私がまず最初に思ったことは……
勿体ない!
の一言に尽きます。
何も1冊にこんなに沢山詰め込まなくてもいいじゃないか……。分割したら、少なくとも2冊は本を書けるぞ!というネタを、1冊にギュッと詰め込んであるのです。
かなり贅沢です。


面白さについては、いつも通り折り紙付きです。
でも今回は、ライムお得意の物的証拠分析というより、カリフォルニアから偶々出張に来ていて捜査に協力したキネシクス*2のエキスパート、キャサリン・ダンスの活躍が光っていました。
あと、アメリア・サックスがウォッチメイカー事件と同時に追っていた別件の殺人事件にも注目です。

*1:映画はアレな出来だったようですが、原作はとても良いです。

*2:証人や容疑者のボディーランゲージや言葉遣いを観察し分析する