『崖の上のポニョ』

ついに見てきました!
最初は、あの可愛らしいポニョソングの影響もあり、どうせ子供向けの映画だろうと高をくくって見に行くつもりはなかったのですが、ハム速さんのエントリーを読んで気が変わりました。


崖の上のポニョが神過ぎた件〜ハムスター速報 2ろぐ


かなり衝撃を受けました。
まさか、そんなに仕掛けが多い映画だったとは……。
ちなみに私、ミステリィマニアなので、そういうダブルミーニングとか何通りにも解釈できる話とか大好きなのです。
と言うわけで、3連休だし、少し足を伸ばして近郊の町の映画館*1へ行ってきたのでした。


上記エントリーを読んで予習は充分したつもりでしたが、実際にポニョを見た感想は、

とにかく怖い……

でしたw
何故なのか、自分でも良く分からないのですが、要所要所が怖かったのです。
まず、ポニョの無表情な顔と鳥の足*2が怖い。
数え切れないほどいるポニョの妹たちが怖い。
リサ(主人公の男の子・ソウスケの母親)が、ポニョは魚の子だと知っているのに妙に冷静なのが怖い。
町が海に沈んでしまうのが怖い。
むしろ、フジサキ(ポニョの父親で「悪い魔法使い」らしい。)の反応の方が、人間らしくて納得できます。



上記エントリーにおいて、
「ポニョは神話と同じ」という旨の記述があり、それについては私も同意したいです。
大体、神話というものは、登場人物のキャラが立っていないというか、ステロタイプの人物ばかりで、ストーリィもご都合主義で「何故そこでそうなる?」と首を傾げる展開になるものが多いです。
もしくは、「○○だから△△になる」というお約束が存在します。
ポニョについてもまさしくそうで、
何故ソウスケはポニョのことが好きなのか?(逆についてもまたしかり)
何故ポニョが人間になろうとすると、天変地異が起こるのか?
何故大漁旗を掲げた船が山の上ホテルを目指すのか?
何故おばあさん達は歩けるようになったのか?
など、はっきり言って理解不能です。


他にも「宮崎監督はモティーフを詰め込んで、全くそれについての説明はしていない」旨の記述があり、実際に映画を見ながら納得することしきりでした。
ポニョは、見る人それぞれに何通りもの解釈が可能な映画です。
監督は、映画の中で全く説明をしていません。


劇場には子供も何人かいましたが、彼らは一体どのような解釈をしたのか、気になりますね。
彼らにとっては、あれは単なる冒険活劇なのでしょうか?
私にとっては、そんな単純なものではありませんでした。
ポニョとソウスケは「みんなで境界を越えれば怖くないよ!」と言っているのかも知れませんが、もう大人になってしまった私には、境界を越える勇気がありません……。

*1:最寄りの映画館では上映していないため。東宝作品はこれだから困る。

*2:ポニョは人間になろうとして、何故か鳥の足を生やす。後にきちんとした人間の手足に変化。