『8の殺人』

新装版 8の殺人 (講談社文庫)

新装版 8の殺人 (講談社文庫)

たまに、昔読んだ本が読みたくなって、原点回帰してみました。
我孫子武丸さんの『8の殺人』です。
知らないうちに、新装版なんて出ていたのねw

我孫子武丸氏といえば、私はかなり尊敬しています。
何故ならば、彼は本格ミステリとコメディ要素を非常に上手に融合させているから。
そして、「かまいたちの夜」の原作者だから。*1
本作においては、主人公達*2の長男恭三が刑事で、その部下で木下というのがいるのですが、とにかく彼がお笑い要員で悲惨な目に遭っています。
本格ミステリといえば、全てが謎に奉仕し、それ以外は余計な要素ということで、無味乾燥な物語が多いのですが、そんな中で彼の書いた本はけっこう衝撃的でした。


彼の作品については、全然お笑い要素は入っていないのですが、『殺戮に至る病』がかなりお薦めです。

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

途中がかなりグロですが、これは叙述トリックの傑作の1つと言っても良いでしょう。
最後の1ページで全てがひっくり返される快感は、なかなか味わえるものではありません。


あと、『人形は○○する』というシリーズもお薦め。

人形はこたつで推理する (講談社文庫)

人形はこたつで推理する (講談社文庫)

探偵役が腹話術師の操るマリオネット、という点でかなり特異なミステリィです。

*1:そう言えば、かまいたちの夜でもお笑い要素が入っていたなぁ

*2:速水3兄妹