『ヴァン・ショーをあなたに』

ヴァン・ショーをあなたに (創元クライム・クラブ)

ヴァン・ショーをあなたに (創元クライム・クラブ)

『タルト・タタンの夢』に続くビストロ「パ・マル」シリーズ第2弾、らしいです。
ちなみに、私は第1作を読んでいません(笑)

「パ・マル」というフランス料理店を舞台に、シェフが料理に絡んだ謎を解いていく、連作短編集になっています。
こういった作品の特徴として、とにかく料理が美味しそう!というのがありますが、本作も例に漏れず、シェフの作る料理がとても美味しそうで、読んでいてお腹が空いてしまいます。
食いしん坊の私はそれだけで満足です。


しかし、この作品、ぱっと見ほんわか日常ミステリーっぽいのですが、よく考えると、扱っている主題はけっこう重いものだったりします。
読んだ後にじわじわと効いてくるボディ・プローみたいな感じ。
人間のずるさとか、弱さとか、そういったものもきちんと描いている作品ですね。