『フロスト日和』
- 作者: R・D・ウィングフィールド,芹澤恵
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1997/10/18
- メディア: 文庫
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よれよれのレインコートにマフラー、仕事中毒で下品な冗談・下ネタが大好き、でも憎めないフロスト警部のシリーズ第2作目です。
1作目は『クリスマスのフロスト』。
今回も前作と同様、若い女性ばかりを狙った連続強姦魔に始まり、公衆トイレで死んでいたヤク中の浮浪者の死体が発見され、女子学生が失踪し、カジノでは売上金が盗まれ……といった具合で、とにかく短時間で事件が次々と起こります。
おかげでフロスト警部とその部下ウェブスター*1は寝る暇もなくデントン市内を駆けずり回ることに。
その度にといっていいほど、次から次へと面倒事が飛び込んできて、読んでいるうちに訳が分からなくなってきますが、最後には全てきちんと解決され、めでたしめでたしです。
それにしても、本作はけっこう分厚いです。
たぶん、京極夏彦氏の『魍魎の箱』レベルです。
しかし、読み始めてしまえば、中だるみすることなく一気に軽く読めてしまいました。
それだけ、本作品が魅力的である、ということなのでしょう。
分厚い本といえば、数年前はかなり分厚い本が次々と出版されていたような印象があるのですが、最近はあまり見ませんよね。
きちんと調べたことがないので分からないのですが、私が今まで読んだ最も長い作品は小野不由実さんの『屍鬼』か宮部みゆきさんの『模倣犯』か京極さんの『塗仏の宴』だと思います。
数日前のMLAで森博嗣さんが「読者から森博嗣本が分厚いと言われる件数が増えてきた」といった趣旨のことを書かれていましたが*2、最近の本読みの人は、分厚い本はあまり好きではないようですね*3。
確かに読むのは大変だし、重いし、読んでいるうちに最初の頃の話を忘れてしまうけど、分厚い本には分厚い本の良さがあると思うのですが。
世の中の本が全て300ページほどのライトなものになってしまったら、少し寂しいです。
最近の本は文字もべらぼうに大きいのに。*4