『おかけになった犯行は』

おかけになった犯行は (創元推理文庫)

おかけになった犯行は (創元推理文庫)

エレイン・ヴィエッツさんによる、崖っぷち転職シリーズ第3弾です。
本作のヒロイン、ヘレン・ホーソーンは、セントルイスで大企業に勤めて高収入を得ていたが、夫が不倫している所を目撃して離婚。
その際の条件として、今後の収入の半分を元夫に渡さなければならなくなったため、フロリダまで逃げて、帳簿外の現金で給料を貰う生活をしています。
このシリーズの大きな特色として、ヒロインの仕事が毎回変わることが挙げられます。
第1弾は高級ブティックの売り子。
第2弾は書店員。
そして、第3弾は電話セールスで浄化槽クリーナーを売る仕事。
どんどん崖っぷち度が増しているような気がします。


ヘレンは、リサーチのためのアンケート協力者を捜す仕事をしているとき、電話の向こうで若い女性が殺されるのを聞いてしまいます。
慌てて警察に電話をかけ、現場に急行してもらいますが、その家では殺人事件が起きた痕跡は全くありませんでした。
納得できないヘレンは、独自調査を開始。
そこで出会ったのが、被害者と思われる女性のお姉さんで、2人は協力して調査を進めることに。
ところが、このお姉さんがかなり強烈で、ハウスクリーニングの仕事をしているのですが、その知識を生かしてオーブンクリーナーで目撃者を脅すわ、毒ガスを発生させて情報を吐かせようとするわ、行動が滅茶苦茶です。
一方のヘレンも、被害者がやっていたバイトが事件に関わっていると知ると、潜入調査を開始。
最後には、何故かとんでもない姿にならざるを得なかったり、棺桶を見に行ったり、かなり大変な目にあっています。
彼女、前作でも事件を解決する時に犯人に襲われていましたが、今回も思いっきり襲われていました。
スマートじゃないなぁ。


今回の一番のビッグイベントは、ヘレンの隣人「透明人間の麻薬中毒」フィルがついに登場したことでしょうか。
彼の正体が気になる方は、是非本書をお読み下さい。