『文学少女と死にたがりの道化』

“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)

図書館で見つけて、タイトルが気になったので借りてきました。
最近はラノベにもあまり抵抗感がなくなって来ている私です。

文学を愛しすぎるあまり（？）本を食べてしまう「文学少女」である遠子先輩のほのぼのしたキャラも手伝って、なかなかほんわかした雰囲気のお話ですが、これはかなりシリアスで重いお話ですよ。
太宰治の『人間失格』をモティーフにしていますから、これでドタバタコメディだったら、それはそれで作者さんのセンスに拍手したくなりますが。
私は、太宰治の作品は、教科書に載っていた「走れメロス」と高校時代に何となく読んだ「アヴィニョンの妻たち」しか読んだことがありませんが、『人間失格』も読んでみてもいいかな、と思ってしまいました。
もういい年だし、太宰のネガティブパワーに引きずられるほど純粋な心もなくなってしまっただろうしｗ

それにしても、遠子先輩の正体が気になります。
本当に主人公の言うとおり「妖怪」なのか、特異体質の人間なのか……。
『涼宮ハルヒの憂鬱』とか『ゼロの使い魔』とかのSF設定はけっこう素直に受け入れてしまうのに、微妙にSFな設定は、だめみたいです。
我ながら心の狭い人間だ。