『文学少女と繋がれた愚者』

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

野村美月さんによる「文学少女」シリーズ第3弾です。
今回の題材は、武者小路実篤の『友情』。
ある女性を好きになってしまった男と、その親友、そして、その親友を好きになってしまった女性、という男女の三角関係を描いた作品です。
これを、文学が好きすぎて食べてしまう文学少女天野遠子先輩と、心にトラウマを抱える少年・井上心葉他のメンバーが、学園祭の劇で演じます。


私が前に読んだ第1弾『死にたがりの道化』でも、かなり病んでる人たちが出てきましたが、今回もかなりのヤンデレ美少女が登場しました。
めっちゃ怖いです。
何も、そこまで病まなくてもいいじゃん!と、ドクターストップをかけたくなるくらい病んでいます。
しかし、一度勢いが付いたら、行くところまで行かなければ気が済まないのが青春なのです。
みんな、若いなぁ。
そうやって悩んで、人は大人になるのだよ。
などと、心の中で呟きながら読んでしまいました。
大人の余裕です。
でもこの作品、中・高校生の頃に読んだら、けっこうなトラウマになったような気がします。
そんな暗いムードが漂いがちな作中で、唯一の救いは、天野遠子先輩です。
ほんわかした雰囲気が場を和ませます。
彼女が心葉くん(病みバージョン)と2人で話すシーンなんて、遠子先輩が心葉くんのお母さんに見えてしまいました。


あと、腐女子的には、最後のあたりの芥川くん(クラス1のハンサムボーイ)と心葉くんとの掛け合いで、色々と楽しめると思いますw


3作目にして、心葉くんのトラウマに急展開の予感。
このシリーズは、最後まで読んでみたいですね。