『ジェネラル・ルージュの凱旋』

ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)

ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)

ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)

ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)

海堂尊さんによる、田口&白鳥シリーズ第3弾です。
今年3月に映画化されます。

物語の舞台は、いつも通りの桜宮市、東城大学付属病院です。
この作品、前作『ナイチンゲールの沈黙』と対になっていて、2つの事件は、時系列的には同時進行しています。
なので、ああ、あの時はこの裏でこんなことが!といったシーンが沢山ありました。


面倒なので、感想を箇条書きしたいと思います。
・相変わらずキャッチコピー(というかあだ名)が多い。*1
・速水部長ギザカッコヨス
・これはミステリーではなくメディカルエンターテイメント小説だ!に1票
・白鳥出番少ない(涙)
・実は、一番スリリングなのは会議のシーンである*2
・あれだけ空虚な屁理屈をもっともらしくこねくり回せる作者を非常に尊敬する

本作は、前2作及び『螺鈿迷宮』と比べると、殺人事件は起きないし、ミステリ要素はあまり強くありません。
せいぜい、速水の告発文書を作ったのは誰か?という謎があるくらいでしょうか。
それでも、充分楽しくスリリングな展開で、読者を飽きさせません。無理に殺人事件等を絡めるより、よっぽどいいです。
彼の作品を読む度、日本の医療制度が抱える問題点を知って、目から鱗が落ちまくりです。
今後も、より精力的な執筆活動に期待したいです。
それにしても、ペース早いなぁ。

*1:救急センター部長の速水は「ジェネラル・ルージュ」等

*2:田口率いるリスクマネジメント委員会と沼田率いるエシックス・コミティとのバトルが迫力満点なのである