『文学少女と穢れ名の天使』

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

本を食べてしまうくらい大好きな「文学少女天野遠子先輩が主人公のシリーズ第4作目です。


今回のモティーフは、ガストン・ルルーの名作『オペラ座の怪人』です。
ルルーといえば、もう一つ『黄色い部屋の謎』という、密室ものの名作がありますが、私はもちろん読んだことがありません。
何故か、トリックは知っていますが。*1
閑話休題
この作品では、本シリーズのもう1人の主役・井上心葉くんのクラスメイト、琴吹ななせちゃんが主役です。
今まで、あまり日の当たらない役柄が多かった彼女に、ついにスポットライトが当たりました。
彼女、典型的なツンデレです。
ツンが少し甘いような気がしますが、デレた時はけっこう可愛いです。
そんなことはどうでも良くて……。
私、実は、このお話、最後の一番いいシーンで、全然感動できませんでした。
ただでさえ、社会に出て荒んだ心に学園青春ストーリィはきついというのに、今回は、刑法ゼミ出身者として看過できない犯罪が……。
ネタバレになりそうなので、以下背景と同じ色の字で書きます。
天使さん、そういう場合は救急車を呼べ!ていうか、一緒に歌ってないで病院に連れて行け!そして、死体を勝手に埋めたら死体遺棄だろ!!何故みんな突っ込まない!!!
と言うわけで、そのことが気になって気になって、全然物語が頭の中に入っていかなかった私なのでした。
感動も大事だけど、リアリティも大事ですよね。

*1:大学時代に、推理小説のトリックを科学的に検証することを主題にした新書で読んじゃいました。