『文学少女と恋する挿話集1』
- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2008/12/26
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 43回
- この商品を含むブログ (142件) を見る
本を食べちゃうくらい大好きな文学少女天野遠子と、彼女を取り巻く人々の、恋する挿話集第1弾!だそうです。
いわゆる、短編集ですね。
収録作品は、以下のとおり
・文学少女と恋する牛魔王 ツルゲーネフ『はつ恋』
・文学少女の今日のおやつ〜『更級日記』〜
・文学少女と革命する労働者 小林多喜二『蟹工船』
・文学少女の今日のおやつ〜『万葉集』〜
・文学少女と病がちな乙女 ロンゴス『ダフニスとクロエー』
・文学少女の今日のおやつ〜『ムギと王様』〜
・無口な王子と歩き下手の人魚 小川未明『赤いろうそくと人魚』
・文学少女と扉のこちらの姫 ロバート・A・ハインライン『夏への扉』
・文学少女と浮気な預言者 オスカー・ワイルド 『サロメ』
・文学少女の今日のおやつ 特別編〜『スノーグース』〜
図書館に行ったら、新刊の棚にこの本があって、まだ本編も4冊(5作目まで)しか読んでいないのに、ついつい借りてしまいました。
"恋"で"短編集"ということで、シリアス展開の多い本編とは違い、軽くてほのぼの系のお話が多いです。
個人的にキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ !!!!!と思ったのが、『夏への扉』を取り上げた短編です。
純文学の古典を取り上げることが多い文学少女シリーズで、初めて私が読んだことのある作品が出てきたものですから。*1
『夏への扉』は、50年以上前に書かれたSFで、冷凍睡眠とロボットメイドさんと猫*2が出てきて、最後はハッピーエンドで、読みやすくてとっても素敵なお話です。*3
あとは、『蟹工船』でしょうかね。*4
去年、妙に売れていた作品ですが、青空文庫でも読めちゃいます。
野村美月さんもあとがきで書いていますが、私もカムサツカ体操がどんなものなのか、気になります。
美羽ちゃん視点が新鮮な「無口な王子と歩き下手の人魚」に出てくる『赤いろうそくと人魚』は、記憶が定かではないけれど、小学校か中学校の何かの教科書で読んだような……。
あと、『サロメ』は、島田荘司さんの『アトポス』でモティーフになっていて*5、軽くトラウマです。
本編よりコメディ要素が強く、遠子ちゃんの入学当初の様子や部室を巡ってボート部と戦う様子、流人くんが女の子達に追いかけ回される様子も出てきて、笑いながら気楽な気持ちで読める1冊となっております。
私も、もう少し古典の名作を読んで修行を積んで、立派な文学少女(?)にならなければ!と決意した次第。