『文学少女と恋する挿話集1』

“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)

“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)

本を食べちゃうくらい大好きな文学少女天野遠子と、彼女を取り巻く人々の、恋する挿話集第1弾!だそうです。
いわゆる、短編集ですね。
収録作品は、以下のとおり
文学少女と恋する牛魔王 ツルゲーネフ『はつ恋』
文学少女の今日のおやつ〜『更級日記』〜
文学少女と革命する労働者 小林多喜二蟹工船
文学少女の今日のおやつ〜『万葉集』〜
文学少女と病がちな乙女 ロンゴス『ダフニスとクロエー』
文学少女の今日のおやつ〜『ムギと王様』〜
・無口な王子と歩き下手の人魚 小川未明赤いろうそくと人魚
文学少女と扉のこちらの姫 ロバート・A・ハインライン夏への扉
文学少女と浮気な預言者 オスカー・ワイルド 『サロメ
文学少女の今日のおやつ 特別編〜『スノーグース』〜


図書館に行ったら、新刊の棚にこの本があって、まだ本編も4冊(5作目まで)しか読んでいないのに、ついつい借りてしまいました。
"恋"で"短編集"ということで、シリアス展開の多い本編とは違い、軽くてほのぼの系のお話が多いです。
個人的にキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ !!!!!と思ったのが、『夏への扉』を取り上げた短編です。
純文学の古典を取り上げることが多い文学少女シリーズで、初めて私が読んだことのある作品が出てきたものですから。*1
夏への扉』は、50年以上前に書かれたSFで、冷凍睡眠とロボットメイドさんと猫*2が出てきて、最後はハッピーエンドで、読みやすくてとっても素敵なお話です。*3
あとは、『蟹工船』でしょうかね。*4
去年、妙に売れていた作品ですが、青空文庫でも読めちゃいます。
野村美月さんもあとがきで書いていますが、私もカムサツカ体操がどんなものなのか、気になります。
美羽ちゃん視点が新鮮な「無口な王子と歩き下手の人魚」に出てくる『赤いろうそくと人魚』は、記憶が定かではないけれど、小学校か中学校の何かの教科書で読んだような……。
あと、『サロメ』は、島田荘司さんの『アトポス』でモティーフになっていて*5、軽くトラウマです。


本編よりコメディ要素が強く、遠子ちゃんの入学当初の様子や部室を巡ってボート部と戦う様子、流人くんが女の子達に追いかけ回される様子も出てきて、笑いながら気楽な気持ちで読める1冊となっております。
私も、もう少し古典の名作を読んで修行を積んで、立派な文学少女(?)にならなければ!と決意した次第。

*1:推理小説の古典なら、私もけっこう読んでるのに。ポーとかドイルとかクリスティとか。あ、カーは読んでなかった。

*2:この猫が、またキュート!冬が嫌いで、冬になるといつも「夏へ通じる扉」を探しているのです。

*3:読んだきっかけは「長門有希の100冊」だったりしますw

*4:家に本はあるけど、まだ読んでない……。

*5:レオナ松崎がサロメ役だった。最後に御手洗潔が白馬に乗って駆けつけるシーンが強烈に印象に残っていますw