『クビシメロマンチスト』

クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)

クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)

西尾維新氏による青春エンタ第2弾。
鴉の濡れ羽島から戻り、平穏な(?)学園生活を送り始めた、戯言使い・いーちゃん
しかし、同級生の誕生パーティに出席した後、同級生の1人が殺されてしまう。
一方、京都の街には、夜な夜な被害者を解体する連続通り魔殺人事件が発生していた……。
といった感じのお話でした。


読みながら、うわ勿体ない!と何度心の中で叫んだことか。
だって、キャラが立った人物がぼこぼこと殺されて行くのですから。
ジュラシック・パーク』を見たときに、「スピルバーグやりすぎ!」と思いましたが、それと似たような感覚です。
あと、零崎人識が、想像と全然違うキャラで少しガッカリでした。
渋くてクールなお兄さんかと思ったのに、カワイイ系のお兄ちゃんだった……。


今回の事件のトリックというか、真相については、少しアンフェアだよなぁと思うところ。
視点人物が嘘を付くなんて、本格ミステリではあってはならないんだ!と憤りつつも、まあ、相手がいーちゃんなので、きっと油断して騙される私が悪いのでしょう。


本シリーズ、「青春エンタ」と銘打っているだけあって、いーくんもまだまだ若いなぁと、つい目を細めてしまうシーンがけっこうありました。
若さ故の残酷性が前面に出ているシーンでは、普通はそこまでやらないよ、と呆れたり。
いーくんの基本スタンスについては、私も共感するところが大きいのですが、あれはやりすぎだと思います。
女の子には優しくしないとダメなのに!
あと、表紙の絵は、正直どうなんだ……?