『彩雲国物語(8)』

ずっと図書館で貸し出し中で、永久欠番だと半ば諦めかけていた、彩雲国物語第8巻です。
これと、次の第9作目を読めれば、茶州編が終わります。
相変わらず一生懸命な秀麗ちゃんが可愛いです。
まだ十代の女の子なのに、あんな厳しい大人の(しかも男性ばかりの)世界で頑張っていて、本当に尊敬です。
茶州で謎の疫病が発生して、その対策に奔走する人々の姿が描かれているのですが、「必要な手順をすっ飛ばした」といって秀麗ちゃんに腹を立てている宮廷のお偉いさん達(もちろんオヤジ)が出てきます。
こういうのって、現代の日本の行政でもしょっちゅうありますよね。
目的と手段が完全に逆転しているケースです。
そんな彼らに、秀麗ちゃんが啖呵を切るのです。
「命よりも手続きを優先させるのか?」と。そのうえで、彼女は、「できることがあるのに、しないことは罪だ」と言って、単身、危険な茶州に乗り込むのです。
ああ、格好良いなぁ。


ちなみに、今回のベストシーンは、「ぼく……お馬より速く走る女の人、初めて見ました……」と涙目になった男の子でした。