『チュウは忠臣蔵のチュウ』

チュウは忠臣蔵のチュウ

チュウは忠臣蔵のチュウ

田中啓文さんの作品です。
忠臣蔵を題材にしていますが、事件の発端になった「松の廊下にて殿中でござる!」事件の真相も、何だか間抜けだし、あの人もこの人も実は○○○だし、諸国を漫遊して印籠の力で全てを解決する越後の縮緬問屋のご隠居は出てくるし、普通の忠臣蔵ではありません。
大石内蔵助のキャラも、とぼけていて、全然緊迫感がありません。
あれ?おかしいな?どうなるんだろう……と思って読み進めていくと、最後にはとんでもない事態が起きます。
笑っちゃいます。


歴史を違う方向から見て、全く違う物語を作り上げていく手法は、鯨統一郎さんの『邪馬台国はどこですか?』を連想させます。


田中啓文さんといえば、私は落語のお話が好きなのですが、色々と引き出しを持った作家さんのようです。
何しろ、主な作品はUMAにダジャレにグロですからね……。