『文学少女と月花を孕く水妖』
- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/12/25
- メディア: 文庫
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本を食べちゃうくらい愛している文学少女・天野遠子先輩が主人公の”文学少女”シリーズ第6作です。
ただし、番外編的位置づけらしく、時系列的には、心葉くんが高2、遠子先輩が高3の夏休みです。
「悪い人に誘拐されました」という遠子先輩からの電報を受け取り、慌てて山奥の別荘に駆けつけた心葉。
そこは、彼らが通う学園の「姫」こと、経営者一族の姫倉麻紀の別荘でした。
遠子先輩の催促に応じて、いつもの三題噺を書いてあげる心葉くんですが、どうも別荘の様子がおかしい。
使用人はどこか怯えた様子だし、街の人は、別荘には幽霊が出ると噂している……。
80年前の惨殺事件の真相、そして、現在進行形の怪奇現象を”想像”で解決するのは、もちろん、文学少女である天野遠子先輩です。
今回の話のモティーフは、泉鏡花の『夜叉ヶ池』でした。
泉鏡花って、読んだことはないのですが、とにかく耽美なイメージがあります。
幻想的な作品が多いみたいですね。
『夜叉ヶ池』にも、池に住む竜が出てきます。
日本のお話と竜って、あまり合わないかも……。
文学少女シリーズは、今まで読んだことのない、読もうとすら思わなかった古典的名作が沢山出てきて、読書のバリエーションを広げるのに最適です。
泉鏡花も、青空文庫にけっこう載っているみたいだし、頑張って読んでみるか……。