『シンデレラ・ティース』

シンデレラ・ティース

シンデレラ・ティース

坂木司さんの作品です。
この方といえば、『青空の卵』から始まる引きこもり探偵シリーズを読んでみたいな、と前から思っていました。
まだ読んでいませんが……。


本作品は、『ホテル・ジューシー』という作品と対になっています。
2作品とも、主人公は女子大生なのですが、彼女たちは友達同士で、それぞれの夏のアルバイト体験が描かれています。
『シンデレラ・ティース』は、母親の紹介(というか陰謀?)により、家の近くのデンタルクリニックの受付バイトをすることになった女の子のお話。
『ホテル・ジューシー』は、沖縄のホテルでバイトをすることになった女の子のお話です。


本作品、デンタルクリニックが舞台ですが、主人公の女の子は、子供の頃のトラウマで歯医者さんが大嫌いです。
そこら辺の彼女の葛藤も見物ではありますが、それにもまして、クリニックの従業員達がみんな常識的ないい人で、和みます。
出てくる謎も、人が殺されるとかは全然なくて、クリニックを訪れる患者さんにまつわる謎ばかりです。
ほのぼのとした舞台で、日常の謎系で、恋愛も少し絡んで来るのですから、軽く楽しく読めます。
たまには、こういう癒し系なお話も良いですね。
非常識な人間ばかりが出てきて、人が次々と惨殺されるような話も、それはそれで面白いのですが、読んでいて疲れますからw


それにしても、坂木司さんって、覆面作家さんらしいですけど、男性ですよね?
女性視点で書くのが上手だなぁ……。