『官能的』

官能的――四つの狂気 (ミステリー・リーグ)

官能的――四つの狂気 (ミステリー・リーグ)

第2回バカミスアワード受賞作と知って、これは読むしかない!ということで、図書館から借りてきました。
この作品、何が凄いって、主人公が変態数学者なのです。
いきなり変態?って感じですが、読んでみると、文字通り、正真正銘の変態です。
しかも、興奮すればする程頭が冴えるというアホな設定付き。
偶然コンビニで出会った脚の綺麗な女性を夜な夜なつけ回したり、高校時代にクラスメイトの女の子をひたすら凝視して観察日記を付けたり、変態行為のオンパレード。
本人は一応、研究のためと言っていますが、果たしてそんな研究で書かれた論文が学会に受け入れられるのか……?
また、助手的ポジションの女性が、これまた強烈でして、研究対象が主人公、つまり変態数学者なのです。
特技は家捜し(笑)
さらに、もう1人の登場人物、研究生のクロちゃんが実は○○であることが最後に判明したりして、超ビックリです。
といった感じで、設定がもう、間違いなくバカミスなのです(笑)


設定だけでご飯3杯はいけそうなくらいぶっ飛んでいますが、本作は一応ミステリです。
変態数学者が変態行為をして、その結果事件に巻き込まれます。
そこで、変態の本領を発揮して、理屈っぽいことを散々並べ立て(これが意外と面白い)、ぶっ飛んだ推理をするのですが、80%くらいしか合っていないのです。
実は、本当の名探偵は、主人公の推理を元にして真相に行き着く顔なじみの警部補(童顔で禿頭)、という落ち。


間違いなくバカミスです。
バカミスだと認識せずに読んだら、本書はあまり楽しめないかも知れません。