『ネコソギラジカル(上)(中)(下)』

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)


ついに読み終わった……。
というのが、読み終わった瞬間の感想第一号でした。
だって、とにかく長いのです。
最近では、『ダ・ヴィンチ・コード』みたいに3分割する必要性があまり感じられない薄っぺらい本が多い中で、この作品はノベルズ2段組で字がびっしり詰まっていて、さらにそれぞれがけっこう厚いのです。
読むのにえらく時間と根気が必要でした。


思えば、シリーズ第1作にして西尾維新氏のデビュー作である『クビキリサイクル』を読み、「おお!これはけっこう本格ミステリしているではないか!登場人物は変人ばっかりで面白いぞ!」と感心し、読み始めた戯言シリーズ
最初から普通の登場人物はほとんど出てきませんでしたが、回を重ねる度に変人超人のオンパレードでビックリ人間ショーに近づいていくし、登場人物は良い感じでキャラが立っていても惜しげもなく殺されるし、気がついたら狐面の変な男に言いがかりを付けられて訳の分からない戦いに突入していて、やっぱり出てくるのは超人類ばっかりだし、コメディっぽい要素はほとんどなくてシリアス展開だし、ていうか最後の『ネコソギラジカル』はミステリ的要素が皆無だし……、といった感じで、なんだかもの凄い勢いで振り回されて、疲れました。
登場人物は変な名前ばっかりで、読み方を覚えるのが大変ですし。
その感想、『山魔の如き嗤うもの』でも言ってたな、私……。
とにかく、西尾維新さんのぶっ飛んだネーミングセンスに脱帽です。


ミステリのはずが、気がつけば別物になっていた……といえば、筒井康隆さんの「七瀬シリーズ」が有名(?)ですが、戯言シリーズはそこまで酷くはないものの、1、2作目のことを振り返ってみると、「思えば遠くに来たもんだ」と遠い目をしてしまうこと請け合いです。
どうしてこんな話になってしまったのでしょう……?
面白いと言えば面白いのですが、あまりにも現実離れしていて、中二病乙wな展開になってしまったものですから。


本作品、最後の章で、登場人物達の4年後が描かれています。
サービス精神たっぷりで、少しだけ余計だったかな?でも、ファンへのサービス精神はたっぷり、といった感じでした。
それでも、残った謎はかなり多いかと思われます。
いーくんの本名が気になる!!!
ところで、このシリーズで平和な日常が描かれると、もの凄く違和感があるのは私だけでしょうか……。