『人類は衰退しました1〜3』
- 作者: 田中ロミオ,山崎透
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前からタイトルが気になっていて、たまたま図書館で1〜3巻を見つけたため、借りてみました。
思いっきり作者さんの術中にはまっております。
人間が衰退して早数世紀。
人間の文明は衰退の一途を辿り、もはや地球上で「人類」といえば体長10センチあまりの不思議生物・妖精さんのことを指すようになっています。
そんな世界で、最後の学校「学舎」を卒業した主人公である「わたし」は、故郷であるクスノキの里に戻り、妖精さんと人間との関係を取り持つ調停官の仕事を祖父と共にすることに。
早速、妖精さんと交流を深めようとするのですが、何もかもが謎の妖精さん。
唯一分かっていることは、彼らの好物がお菓子であることくらい。
彼らは、普段、人里離れた森などで暮らしていますが、たまにどこからともなく集まって、気まぐれに超テクノロジーで大文明を栄えさせ、数日で飽きてまたどこかへ消えたりするのです。
メチャクチャです。
そうかと思ったら、地球上の生物の進化を紙工作で疑似的に再現してみたり、謎の道具を作って人里にばらまいてみたり。
またその道具が、大抵は他愛もない効果しかなかったりするのですが、たまに洒落にならないとんでもない事態を
引き起こしたりするのです。
とにかく、妖精さんが可愛くて、和みます。
癒し系です。
衰退した人間とは比べものにならないくらい凄いテクノロジーを持っているはずなのに、台詞が全てひらがな。
とぼけた事を言っているかと思ったら、たまに毒舌。
本当にこんな生き物がいればいいのに……と思ってしまったり。
妖精さんの道具に振り回されるのは御免ですが。
本シリーズの特徴として、固有名詞がほとんど出てこない、というのがあります。
読みづらいかと思ったら、意外とそうでもありませんでした。
主人公の女の子も、なかなかどうして小粋な性格ですし、人見知り&夜型&インドア派な点も、大いに共感するところです。
田中ロミオさんという方は、××××ゲームのシナリオライターさんだそうで、そのせいかセンテンスが短くて読みやすいです。