『カンナ 飛鳥の光臨』
- 作者: 高田崇史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/11/07
- メディア: 新書
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高田崇史さんによる、QEDではない新シリーズです。
出賀茂神社の宮司の息子・鴨志田甲斐は、神主業を手伝いつつ、気楽な毎日を過ごしていました。
ところが、神社の近辺では、聖徳太子関連の宝物が盗まれる事件が続発。
出賀茂神社も、代々伝わる社伝を盗まれたのですが、何とその社伝、日本史を根幹から揺るがしかねない内容であることを父親から知らされます。
更に、近所に住んでいて昔から兄と慕っていた早乙女諒司が失そうします。
盗難事件と彼の行方を追うため、甲斐は現役東大生巫女の貴湖と飛鳥へ調査に行くことに。
ところが、行った先で更に事件に巻き込まれ……といったお話でした。
もう、はっきり言って、殺人事件はお飾りです。
全然重要ではありません。
今後の展開への布石にはなっていそうな感じですが。
それよりも、聖徳太子の謎の方が、ずっとスリリングで面白かったです。
最近、聖徳太子は実在の人物ではなかったのではないか?という説があるようですが、その真相を見事に推理しています。
ついでに、大化の改新についても、目から鱗の解釈が……。
これを読めただけでも、本作を読んだ価値がある、というものです。
何だか、忍者や悪の組織っぽいものが出てきて、少しアドベンチャーな感じですが、今後このシリーズがどういった方面に進んでいくのか……。
楽しみです。